臨床血液
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症例報告
好中球増加症を契機に診断されたG-CSF産生多発性骨髄腫
横井 桃子近藤 敏範清水 里紗内田 圭一林 成樹西村 広健近藤 英生和田 秀穂
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2023 年 64 巻 8 号 p. 735-740

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抄録

症例は71歳の女性。食欲不振と嘔吐を主訴に当科を受診した。著明な好中球増加症とIgA-κ型M蛋白を認め,骨髄中に形質細胞の増加を認めた。血清granulocyte-colony stimulating factor(G-CSF)濃度は160 pg/mlと高値で,CSF3R-T618I変異は認めなかった。抗G-CSF抗体を用いた免疫組織化学(IHC)では一部の形質細胞で陽性であり,G-CSF産生骨髄腫と診断した。Daratumumab, lenalidomide, dexamethasone治療により血清G-CSF濃度と好中球数は正常化した。G-CSF産生骨髄腫の報告例は少なく,M蛋白血症を伴う慢性好中球性白血病として報告されてきた。これまでの報告から血清G-CSF値測定や抗G-CSF抗体によるIHC,CSF3R遺伝子変異解析等の手法が鑑別診断に有用であると考えられた。G-CSF産生骨髄腫の詳細な臨床像や長期予後は未だ不明である。今後さらなる症例の蓄積と検討が必要である。

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© 2023 一般社団法人 日本血液学会
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