臨床血液
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特集:実地診療における免疫学のトピックとそのアプローチ
EBV陽性リンパ増殖性疾患の診断と管理
新井 文子
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2023 年 64 巻 8 号 p. 764-771

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抄録

Epstein-barr virusはB細胞のみならず,T, NK細胞の不死化の原因となり,かつ遺伝子変異導入を誘導することでリンパ系腫瘍(EBV-positive lymphoproliferative disorders, EBV-LPDs)の発症に寄与する。B細胞性EBV-LPDs(B-EBV-LPDs)は免疫不全を背景に発症する。一方,T, NK細胞性EBV-LPDs(T, NK-EBV-LPDs)はいわゆる慢性活動性EBウイルス病chronic active EBV disease(CAEBV)とその類縁疾患で,その発症機構は未解明である。2つのEBV-LPDsの診断には末梢血のEBV-DNA定量検査が重要である。B-EBV-LPDsは免疫不全の原因の除去やrituximabが有効であるが,一部のB-EBV-LPDsとT, NK-EBV-LPDsは薬物治療抵抗性を示す。病態の解明と治療薬開発は喫緊の課題である。

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© 2023 一般社団法人 日本血液学会
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