臨床血液
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15 (EL3-5-3)
骨髄系腫瘍病態における自然免疫と炎症の役割
武藤 朋也
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ジャーナル 認証あり

2023 年 64 巻 9 号 p. 962-969

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抄録

骨髄系腫瘍は,複数のクローン性造血器腫瘍で構成される疾患群であり,骨髄異形成症候群,骨髄増殖性腫瘍,急性骨髄性白血病などが含まれる。炎症は幅広い悪性腫瘍の病態において重要な役割を果たしていることが既に知られており,骨髄系腫瘍においてもその意義が注目されてきた。具体的には,細胞内在性および外来性シグナル物質による自然免疫シグナル経路活性化,さらには自然免疫シグナルの下流シグナル伝達による炎症性サイトカインの上昇が明らかとなっている。また,血液腫瘍細胞を取り囲む炎症性シグナル物質に富んだ骨髄内環境は炎症性微小環境と呼ばれ,骨髄系腫瘍各疾患の病態における役割や分子基盤が近年精力的に解析されている。本稿では,骨髄系腫瘍における自然免疫シグナル活性化や炎症性骨髄微小環境がどのように骨髄系腫瘍発症に寄与しているのか,最新の知見を紹介しながら考察する。

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© 2023 一般社団法人 日本血液学会
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