河川技術論文集
Online ISSN : 2436-6714
環境DNA定量メタバーコーディングを用いた九州北部豪雨直後の筑後川の魚類相調査~回復過程のモニタリングに向けて~
赤松 良久中尾 遼平横山 良太太田 宗宏乾 隆帝
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2022 年 28 巻 p. 157-162

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抄録

筑後川流域は,平成29年7月九州北部豪雨により多大な被害を受けた.特に福岡県朝倉市から大分県日 田市にかけての右岸流域の支川においては,人的被害を伴う甚大な被害が発生した.大規模災害による生 態系への影響や,災害後の生態系の回復過程を明らかにすることは,筑後川だけでなく他の流域における 河川管理および生態系保全に有用であると考えられる.よって本研究では,筑後川において,魚類を対象 に,大規模災害後の分布状況を,環境DNA定量メタバーコーディングを用いて明らかにすることを試みた.環境DNA分析の結果,被災地支川の在来種の種数は対照区支川や本川に比べて少なく,在来種の環境DNA濃度は対照区支川に比べて低かった.また,外来種の種数は対照区支川や本川に比べて少なかった.これら の結果から,被災地支川では,在来種,外来種ともに,豪雨に伴う出水によって,種数および生物量が減少した可能性が示された.

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© 2022 土木学会
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