砂礫による摩耗とスレーキングによる岩盤侵食を考慮した平面2次元河床変動モデルの開発と実河川への適用性検証

抄録

本研究では，河床低下により河道に岩盤が露出し，U字型河道に分類される群馬県碓氷川を対象として，摩耗による侵食特性およびスレーキングによる侵食特性を調査し，岩盤侵食特性を考慮した平面2次元河床変動モデルを開発することを目的とした．さらに，開発した軟岩河床変動解析モデルを用いて，碓氷川の岩盤侵食期間における検証計算を行い，実河川への適用可能性や留意事項を整理することも目的とした．摩耗に伴う岩侵食量を現地調査し，平面2次元流況解析モデルにより摩擦速度を算出して分析した結果，岩侵食量と摩擦速度に正の相関があった．次に，碓氷川にある泥岩を対象として室内スレーキング試験を実施し，岩侵食量を測定した．開発した軟岩河床変動解析モデルに現地調査や室内試験で得られた岩侵食速度等を設定し，碓氷川を対象として検証計算を行った結果，現地で生じている河床低下速度を再現できるとともに，現地同様のU字型河道が形成されることも確認した．