河川技術論文集
Online ISSN : 2436-6714
流域治水における土地利用規制等の施策評価に資するマクロ経済成長モデルの活用について
石渡 裕明和田 裕行松田 浩一堀合 孝博平川 了治岡安 徹也岡部 真人
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2022 年 28 巻 p. 337-342

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抄録

流域治水の施策を推進するためには,長期的に発現する流域治水の被害軽減効果を定量的に示すとともに,対策額に対する施策効果の経済効率性,ハード対策とソフト対策のバランス,公的負担と自己負担のバランス等を提示することが有効である.加えて,流域治水による水害リスクの低減(生産施設・設備の防護・移転等)が,地域経済の長期的成長に寄与することを定量的に示すことも有効である.流域治水の経済効果を定量的に評価できる可能性のあるツールとして「動学的確率的マクロ経済モデル」が挙げられ,同モデルを開発途上国における防災投資の経済分析等に適用した研究も存在するが,流域治水の施策実施による経済効果等を明らかにした研究はない.本論文は,流域治水による経済効果等を評価する研究の第一歩として,洪水氾濫解析で得た洪水被害推計データを「動学的確率的マクロ経済モデル」に入力し,氾濫域内の土地利用規制等を対象にパイロットスタディを実施・考察することで,同モデルの流域治水対策検討への活用可能性と課題や,社会実装に向けた今後の研究展開を取りまとめることを目的とする.

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© 2022 土木学会
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