河川技術論文集
Online ISSN : 2436-6714
確率限界法検定を導入した極値降雨量時系列の非定常性評価
児玉 武史清水 啓太山田 朋人
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2022 年 28 巻 p. 343-348

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抄録

現行の治水計画では,年最大降雨量が定常過程にあると仮定し計画降雨量を算定している.一方,近年,気候変動に伴う降雨量の非定常性の顕在化が指摘されている.このため,非定常性を踏まえた計画降雨量の推定等が急務となることを鑑み,本研究は,確率限界法検定を用いた非定常性の評価手法を構築した.確率限界法検定は,所与の時間スケールにおいて実現し得る年最大降雨量の統計的閾値を算定可能である.本手法により,年最大降雨量の非定常性の強度が時間軸上で評価されるとともに,過去の観測値から推定した母集団分布の信頼性の診断が可能となる.本研究では,モンテカルロ法により非定常性を有する時系列(標本サイズ100)を300個生成し本手法による非定常性の検出力を調べた.その結果,有意水準5%での検出力が70.0%となり,本手法による非定常性の評価が有効であることが示された.加えて,本手法を一級河川流域における年最大降雨量時系列に適用した.その結果,1961年から1990年に亘る観測年最大降雨量から母集団分布を推定した場合,p値により得られる非定常性の強度は全国的に増加傾向となった.

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© 2022 土木学会
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