河川技術論文集
Online ISSN : 2436-6714
大規模洪水による高水敷化した砂州河岸の洗掘に伴う船底形断面形の形成
後藤 勝洋後藤 岳久瀬尾 敬介福岡 捷二
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2023 年 29 巻 p. 329-334

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抄録

多摩川中流部では,河川横断構造物を計画的に設置・改修してきたことで,近年,低水路河床高の縦断形が維持され,低水路幅の拡大とともに河道が安定化している.本稿では,多摩川中流部の長期的な実測データと準三次元洪水流・河床変動解析を用い,洪水エネルギー分布の視点から,高水敷化した砂州河岸の洗掘により低水路幅が拡幅されることで,河道断面形が自然河川の河道形状である「船底形断面形」を形成する機構を明らかにする.高水敷化した砂州河岸の洗掘を受けているJR中央線上下流区間では,河道が二極化する前の昭和40年代の低水路幅に戻るように変化している.これは,河道全体で洪水エネルギーが適切に分担されるように,河道断面形が低水路河床と高水敷(砂州)が緩やかに連続する「船底形断面形」に近付いているためと考えられる.一方,「船底形断面形」に改修された多摩大橋周辺地区では,洪水流量に応じて,緩やかな洪水エネルギー分布が保たれており,無次元流量と無次元水面幅・水深の関係も連続的に変化していることから,計画規模であった令和元年10月洪水に対して安定な河道形状を呈している.

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© 2023 土木学会
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