2023 年 29 巻 p. 377-382
平成29年に発生した九州北部豪雨では,多量の流木が発生し,河道から氾濫原に流出した流木により民家に甚大な被害が生じた.このような被害を出来るだけ軽減するためには,河道および氾濫原での流木挙動を一体的に再現・予測できる解析モデルの構築が必要となる.著者らは,河道・氾濫原で生じる流木災害を再現・予測可能であり対策工の計画立案に資する洪水氾濫・流木一体解析モデルの構築を大きな目標とし,本研究ではそのベースとなる基本的な数値解析モデルの構築を行った.解析モデルの検証用データ取得のために,氾濫原を有する小規模実験水路を用いた流木挙動に関する基礎実験を実施した.構築した解析モデルを本実験データに適用した結果,実験で見られた流況と流木の流下・堆積過程の一連の状況を本解析モデルでも表現できることが明らかとなった.一方,本解析モデルの課題についても明らかになり,今後の精度向上に向け改善が必要な点についても見出すことができた.