2023 年 29 巻 p. 371-376
現在,荒川の氾濫が予想される際,氾濫発生の3日前から9時間前の期間での広域避難が検討されている.しかし,洪水予測の不確実性や住民の避難ハードルの高さからその実現は現状では困難である.また,広域避難が実施されなかった場合,浸水域内における垂直避難が計画されているが,キャパシティ不足やエネルギーの供給や食料が不十分なまま長期間の生活が強いられることから健康面のリスクがあるなどの,課題がある.そこで本研究では江東デルタ地帯を対象に,各地区における洪水到達時間をもとにボトルネックとなることが予想される橋梁のうちどの橋梁を使用するか,また避難開始時間についても事前に決定しておくことで避難時間の軽減に対する効果を検討した.結果として,避難時間を大幅に減らすことができることがわかり,氾濫直前に避難を開始しても広域避難を行える可能性があることがわかった.