2023 年 29 巻 p. 61-66
太田川水系根谷川に設置されている観測桝で洪水中の土砂堆積高を測定するために,土砂動態の連続観測を安価に行うことができる計測装置を計4つの異なる計測パターンで比較,検討した.この装置は,ビニール袋(以下、袋体タイプと略)とゴムチューブ(以下、プレートタイプと略)からなり,観測桝の中央と観測桝の底部全域に設置した.計測装置の計測原理は,水で満たされた容器内と容器外に圧力式水位計を設置し,土砂堆積後の容器内の圧力計は堆積土砂の全応力を計測し,容器外の圧力計は間隙水圧を計測し,その差によって土砂堆積高を求める手法である.2022年の出水を対象に計測を行った結果,プレートタイプおよび袋体タイプの中央設置型では,適切に土砂堆積高を評価することができなかった.プレートタイプ全域設置型では,現地実験による補正式および時間減衰補正式を適用することで,ある程度土砂堆積高を評価することができた.袋体タイプ全域設置型では,キャリブレーションを必要とせず,土砂堆積高を評価することができた.