2024 年 30 巻 p. 203-208
過去の河川堤防決壊事例では,越水が要因となるものが大半を占め,令和元年台風19号に伴う洪水でも,越水が主要因となるものは全国の堤防決壊142箇所の86%を占めた.今後も気候変動による洪水被害がさらに頻発化・激甚化するものと考えられており,堤防から越水した場合であっても堤防が決壊するまでの時間を少しでも引き延ばす「粘り強い河川堤防」を整備し,被害を軽減することが求められているが、技術的に越水した場合の効果に幅や不確実性がある.この「粘り強い河川堤防」に必要な技術的検討を行うことを目的に令和4年「河川堤防の強化に関する技術検討会」が設置され,「粘り強い河川堤防」の越水に対する性能を評価するための技術開発上の目安として「越流水深30cmの外力に対して,越流時間3時間の間は越水に対する性能を維持する構造とすること」が設定された.本報告では,大規模堤防模型実験水路において透気防水シートを裏法面に敷設し,裏法面およびドレーン工の境界部分等の越水に対する耐侵食性能について検証した.