河川技術論文集
Online ISSN : 2436-6714
堤内地の漏水・噴砂動態と損傷に及ぼす透水性基礎地盤の層構造の影響
大桑 有美前田 健一
著者情報
ジャーナル フリー

2024 年 30 巻 p. 215-220

詳細
抄録

透水性基礎地盤に河川水が浸透し,漏水,噴砂の発生からパイピングに進展し,河川堤防が被災する危険性の高い箇所を抽出するために,支配因子や評価指標,それらの閾値を明らかにすることは重要である.そこで,本研究では,2016~2018年,2022年の出水により噴砂と陥没が繰り返し発生した宮崎県北川の事例調査結果に基づき,漏水,噴砂及び陥没の動態とそれらの関連性を模型実験と浸透流解析を用いて考察した.模型実験より,現地で観察された実堤防の堤内地の損傷の様子を再現した結果,基礎地盤の土質構成が漏水,噴砂や陥没の発生過程に影響することが分かった.また堤内地の変状や損傷は,噴砂現象の照査基準の1つであるG/Wの想定とは異なっており,従来の浸透流解析では表現しきれない条件があること が分かった.実現象の変状を単純化し考慮した試みを行い,その影響度を定量的に評価している.今後,実現象を評価する際には,基礎地盤の土質構成と地盤損傷の過程を把握することが重要である.

著者関連情報
© 2024 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top