2024 年 30 巻 p. 335-340
本研究では,著者らが開発してきた降雨-土砂・流木流出モデルを2017年の豪雨で被災した寺内ダム流域に適用して,流域からの土砂・流木の流出量と河床材料粒度分布,それらの時間変化といった項目について,実現象と比較しながらモデルがもつ特性について検討している.解析の結果,2017年の豪雨における水・土砂・流木の流出を良好に評価できている.特に土砂流出の顕著な黒川について,摩擦速度が比較的小さいところで顕著な土砂堆積が生じており,また上流の単位河道ほど早く粗粒化が進行している.単位河道に横流入する土石流は,一旦小さな支川に流入・堆積した後に本川へと流出するため,これらの支川に残される流木が多い.単位河道に横流入する土砂量が増加した場合,河道の土砂輸送能力を超えて供給される土砂は河道に貯留され,一方で輸送される流木量は横流入する土砂量に比例して増加する.