河川技術論文集
Online ISSN : 2436-6714
最大規模豪雨の生起リスク評価手法の提案
清水 啓太山田 朋人
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2024 年 30 巻 p. 393-398

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抄録

再現期間Tを供用期間(治水施設等が計画された性能を満たし続けると保証される期間)として想定した際,T年間の供用期間中で,再現期間T年の確率年最大雨量xT以上の降雨が発生する確率は63.2%存在することが数学上導かれる.治水施設は供用期間中に発生し得る洪水に対して防御機能を保持することが要請される.このため,T年確率年最大雨量xTの供用期間N年間での超過確率が63.2%となることは,洪水対策を検討する上で考慮すべき数学的事実である.したがって,本研究は供用期間N年間においてN年超過確率がpNとなる最大雨量xNを考慮した頻度解析手法の提案を目的とする.本研究では,実流域を対象として,N年超過確率pNの降雨量xNとその信頼区間を推定することで,過去及び将来気候下の最大規模豪雨の生起リスクを定量化した.N年間を単位時間とする供用期間と,1年間を単位時間とする再現期間中において,発生する最大雨量の超過確率は相互変換可能である.このため,従来慣用されてきた再現期間に基づく頻度解析手法を鑑みつつ,本研究は供用期間の導入による最大規模豪雨の新しい確率的解釈を提案する.

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