2024 年 30 巻 p. 465-470
河川工事において,出水予測は人員や資機材退避の判断材料となるが,出水予測の精度に影響を及ぼす降水予報の誤差を考慮する必要がある.著者らは予報降水量の予報誤差ΔR(=予報-実測)を加味した予測水位の上限値を評価する手法を提案しその有効性を確認したが,一つの河川を対象としていたため本手法の汎用性について検討が必要であった.そこで,本手法の汎用性を確認するため,予報誤差の地域特性を整理し,水位予測の際の信頼区間の最適値について検討した.全国のAMeDAS観測所を対象とした予報誤差分析の結果,日本南部よりの太平洋沿いの地域で誤差が大きく,実測降水量が多いと誤差も大きくなる傾向が見られた.また,予報誤差傾向の異なる複数地点において予測水位の上限値評価を行い,誤差傾向に応じて考慮すべき信頼区間の最適値を整理した.誤差が大きい地点では信頼区間を70%から80%の間で設定することで出水タイミングの的中増加,および見逃し低減につながることを確認した.