2024 年 30 巻 p. 65-70
本研究では,親水機能に配慮した住民参加型川づくりを実施した都市中小河川・荒川水系黒目川を対象に,観察調査により得たデータから,年齢層別にみた親水利用の特徴と環境要因を分析した.その結果,利用行為,横断面上の位置,環境要因のいずれも,年齢層に応じて異なる傾向が示された.具体的には,利用行為は,年齢層が高年になるほど天端での「通過型」の利用行為が行われ,若年になるほど水中に近い位置での「入水型」や「生物捕獲型」などの利用行為が行われる傾向があった.また環境要因では,幅広い年齢層に「低水路から堤防天端までの垂直高さ」や「堤体の法面勾配」が影響していたことなどから,治水と親水を両立するうえで,スライドダウン方式の河床掘削による河川環境の保全や堤防盛土の抑制など,本事例で採られた整備内容が,多様な年齢層の親水性の保全に寄与していたと評価された.