河川技術論文集
Online ISSN : 2436-6714
機械学習を用いた土石流氾濫域の推定に関する基礎的検討
江口 翔紀赤松 良久
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2024 年 30 巻 p. 605-610

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抄録

近年,頻発している土石流災害の対策を講じる上で土石流が発生した際の被災範囲を推定することは非常に重要である.しかし,現状では全国各地に無数に存在する土石流危険渓流における土石流の被災範囲を推定するための手法は確立されていない.そこで本研究では,数値シミュレーションの結果を教師データとして,周辺の地形特性との関係を学習させたランダムフォレストモデルを構築することにより,土石流氾濫域を簡便に推定した.その結果,本手法により推定した土石流氾濫域面積は土石流シミュレーション結果における土石流氾濫域面積との間に有意な正の相関が認められた.しかし,本手法では,土石流が発生後,谷地形を流下する様子を高精度で再現できるものの,緩勾配の扇状地における土石流氾濫域の再現精度は低い傾向であった.また,2014年広島県広島市における土石流災害の被災地点に本手法を適用した結果,各渓流における土石流氾濫域をおおよそ包括していたが,比較的渓流幅の狭い場所では,渓流形状を捉えることが困難であり,土石流氾濫域を過小評価する傾向であった.

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