河川技術論文集
Online ISSN : 2436-6714
没水型ベーン工が橋脚周りの流れ場に与える影響について
大本 照憲張 浩石井 悠大三宅 利
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2025 年 31 巻 p. 247-252

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抄録

橋脚の局所洗掘は,主因として鈍い物体形状を有するために流下方向に強い圧力勾配が生じ,橋脚基礎には強い下降流を伴う馬蹄形の3次元的剥離渦が挙げられる.橋脚の洗掘対策は現在でも課題が多く残されている.本研究では,橋脚の直上流に流速低減および流向制御の機能が期待できる没水型ベーン工を設置することで馬蹄形渦の制御および橋脚の洗掘孔を抑制することが出来ることを実験的に検討した.得られた結果から,流下方向に漸縮した一対のベーン工は逆回転となる一対の縦渦を発生させ,ベーン間で上昇流を発生させ,無補強では洗掘孔近傍で下降流であった流速場が没水型ベーン工の設置によりベーン間で強い上昇流と橋脚直上流の接近流速を減速させた.また,ベーン工ペア数6のケースは,ペア数2のケースに較べて接近流速を抑制し,流向制御機能の大きいことが認められた.

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© 2025 土木学会
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