河川技術論文集
Online ISSN : 2436-6714
流下能力への樹木群の影響評価に資するUAVレーザ計測による三次元点群の活用手法の検討
末永 遼鈴木 克尚出口 恭天野 邦彦
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2025 年 31 巻 p. 271-276

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抄録

従来の現場計測による樹木群の胸高直径や枝下高,立木密度等の計測に替わり,UAVレーザ計測による 樹木群形状の高密度な三次元点群データを用いて樹木群の流水への影響を評価する手法について検討した.樹木群領域の三次元点群を河道縦断方向一定幅にスライスした河道横断面上へ投影し,樹木群の投影面積率鉛直分布を定量的に評価できることを示した.投影面積率の鉛直方向の変化傾向から,樹木群の平均的な枝下高標高および樹高標高を評価し得ると考えられた.また,河床面から任意標高までの累積投影面積率の鉛直分布より,河川水位が当該任意標高に達した際の単位体積中の樹木総投影面積の鉛直分布を求めることが可能であり,これにより河川水位に応じた樹木群投影面積の鉛直構造を反映した樹木群粗度係数を算定できることを示した.本研究の方法を用いることで,準二次元不等流計算による樹木群を考慮した流下能力評価において,樹木群の実際の鉛直構造を反映した流水抵抗の評価が可能になると考えられる.

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