2025 年 31 巻 p. 301-306
河川氾濫原の両側の山脈・山地の地盤変動速度が異なる場合,氾濫原が横断方向に傾斜するため,河道 片岸が連続的に山付きとなり,対岸には旧河道の集中する微低地の帯が形成される.そのような地形では洪水が氾濫しても側方に広がりにくく,副河道として機能し得る.本研究では,このような地形を超過洪水用の貯留機能保全区域として活用する手法を検討した.検討対象地形は,秋田県横手盆地を北流する雄物川中流部の10 kmの区間の河川地形を単純化して作成した.河道容量は流域治水プロジェクト2.0を想定 して戦後最大洪水の1.2倍とし,横堤により微低地領域の貯留機能を高めた.その結果,戦後最大流量の1.6倍のピークを持つ計画洪水波形に対して,約7%のピーク流量低減効果が得られた.なお大局的地盤傾斜のために氾濫水が微低地領域から広がることはなく,横堤により氾濫流速はほぼ1 m/sまでに抑制された.