2025 年 31 巻 p. 307-312
令和2年7月豪雨により球磨川流域では甚大な被害を受けた.浸水被害を受けた流失を含む全壊建物が多く発生したが,流体力と被害建物が密接に関連していることはこれまで経験的に知られており,既往研究では現地調査による数十~百数十棟の全壊建物の分析が発表されている.しかし,全壊が千棟を超す大規模な建物被害とその被害状況及び氾濫流との関係は明らかではない.そこで,Google earth Proの衛星画像と防災ヘリの氾濫後の被害建物の画像を活用するリモートセンシングの手法を用いて広域に数千棟の被害分析を実施した.また氾濫シミュレーションを実施し,人吉市内の浸水被害建物4814棟の内,全壊建物1719棟を対象に,建物に作用した流体力を分析し,3つの被害区分と浸水深及び流速との関連性を明らかにした.