河川技術論文集
Online ISSN : 2436-6714
河川物理環境特性を考慮した全国かわまちづくりの利活用分類の試み
坂本 貴啓松本 遥紀鈴木 宏幸田中 孝幸
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2025 年 31 巻 p. 31-36

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抄録

国土交通省は河川空間を活用して地域のにぎわいを創出するため,河口から水源地までの川で「かわまちづくり」を展開してきた.多くの地域に特色ある計画が策定されているが,地域の特色を差別化し,体系的に分類・比較することは行われていなかった.本研究では,264件のかわまちづくり計画を河川の物理環境特性に基づいて31タイプに分類し,特徴に見合った整備方法について考察した.河川物理環境分類については,①河川スケール(川幅)での分類,②河川縦断方向(セグメント)での分類,③河川横断方向(断面)の大きさに基づいて類型化を行い,ハード整備とソフト施策の例を整理した.結果として,24タイプの該当があった.大河川では高水敷中心の整備が行われ,中小河川では源流・河口域で親水整備が進められている.ソフト施策では,大河川ではレクリエーション活動が中心で,中小河川では教育や経済活動に注力されていることが確認された.以上のことより,河川物理環境特性別(川幅区分,断面区分,縦断区分)にかわまちづくり計画に特徴があることが示唆された.

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© 2025 土木学会
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