河川技術論文集
Online ISSN : 2436-6714
岩盤内地下水の挙動を考慮した表層崩壊危険度予測モデルの開発
梶 昭仁小森 潤二横江 祐輝宮田 英樹田所 弾内田 龍彦小谷 隼人
著者情報
ジャーナル フリー

2025 年 31 巻 p. 361-366

詳細
抄録

土砂災害の発生危険度が高まった時に発表する土砂災害警戒情報は,短期雨量指標である60分間雨量と長期雨量指標である土壌雨量指数を用いたスネーク曲線および過去の災害発生実績を参考に判定している.土壌雨量指数は,降雨が浸透・流出し,比較的表層の斜面内に貯留された地下水の挙動をタンクモデルにより表現しており,岩盤内の深層から比較的表層の斜面内に噴き出すように流出する地下水の流動が考慮されていないため,土砂災害の発生箇所や発生時間等の的中精度に課題がある.

本研究では,家屋が点在する都市域の小流域山地斜面の危険箇所をリアルタイムで予測することを目的に,降雨によって発生する表層の地下水の浸透・流下に加え,現地観測で確認できた降雨波形のピーク時期から遅れて発生する岩盤内の深層からの地下水の流出を考慮した.深層からの地下水の流出遅れは花崗岩流域での地下水観測結果による推定式より算出した長期実効雨量を用いて再現した.現地観測した地下水位波形を再現する斜面崩壊の危険度予測モデルを構築し,予測精度の向上が図れたことを確認した.

著者関連情報
© 2025 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top