河川技術論文集
Online ISSN : 2436-6714
谷津の多面的機能に対する支払意思額と個人属性が及ぼす影響分析
武田 佳明浅田 寛喜皆川 朋子
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2025 年 31 巻 p. 475-480

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抄録

 本研究では,球磨川水系井口川及び川辺川流域の住民を対象としたアンケート調査により,谷津の治水を含めた多面的機能を金銭的価値として定量的に評価し,多面的機能の支払意思額と個人属性の関係の分析を行った.その結果,最も金額が高く評価された機能は,井口川流域では「地下水涵養 (824.2 円/年)」,川辺川流域では「炭素貯留(851.4 円/年)」であり,次いで「治水」が高く評価され,それぞれ821.2 円/年,715.1 円/年であった.支払意思額と個人属性との関係について一般化線形モデルを構築した結果,井口川流域では「環境への保全意思」,川辺川流域では「豪雨被災経験」が最も支払意思額に影響を与えた有意な正の説明変数として選択された.大きな水害被害が生じた場合,被災経験は支払意思額に大きな影響を与える要因になることが明らかになった.今後の谷津の活用においては,調整サービスを享受できる整備と同時に,自然環境を身近に感じられ,その重要性を学ぶことができる空間を創出することが重要であると考えられた.

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