2026 年 32 巻 p. 133-138
宮中取水ダムでは,小型魚を対象とした全断面越流タイプの階段式魚道を設置しているが,この魚道は上流部に弯曲部を有し,かつ延長が約114mと長いため,魚道下流部において顕著な水面変動が発生した.このため現在,「カゴ詰め玉石工」の暫定設置を行い,水面変動を抑制させている1).しかし,中規模出水の度に魚道下流部で土砂が堆積し,復旧作業が課題となっている.本報告は,弯曲部を有する階段式魚道において水面変動抑制効果を有し,かつメンテナンスも容易となる対策の提案を行うことを目的とした.
本検討では,縮尺1/4の模型で現地を再現し,水理模型実験により水面変動の特性を調査した上で対策案を設定し,水面変動抑制効果を検証した.その結果,水面変動の発生要因が弯曲部であり,下流に伝搬するに従い共振,増幅すること,最下流プールの水面変動幅が約1mとなることを明らかにした.さらに,この特性を踏まえ,下流プールの水面変動幅を0.1m以下まで低減可能な水面変動抑制対策2タイプを提案した.