河川技術論文集
Online ISSN : 2436-6714
階段式魚道における潜孔アスペクト比がカワムツの遡上率に及ぼす影響
鬼束 幸樹, 吉田 瑞矢, 藤田 凌安, 西原 智世
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2026 年 32 巻 p. 97-102

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抄録

我が国の既設魚道には,隔壁に潜孔を有するものが存在する.潜孔の鉛直あるいは横断配置が魚類の遡上率に影響を及ぼすことが実験的に解明されている.ただし,ほぼ全ての既往研究では潜孔形状が固定されており,潜孔形状の変化が遡上率に及ぼす影響は未解明である.「魚がのぼりやすい川づくりの手引き」においても,潜孔形状の推奨値は未記載である.本研究では階段式魚道において,潜孔幅を潜孔高で除した潜孔アスペクト比を0.5,1,2および4の4通り,越流水深を0.05,0.10,0.15および0.20 mの4通りにそれぞれ変化させ,カワムツの遡上状況を調査した.その結果,潜孔アスペクト比の増加に伴い遡上率が低下した.潜孔アスペクト比が増加すると潜孔の横断幅が拡大するため,潜孔通過後のプール内高流速域が拡幅する.すると,カワムツの休息場所となる低流速域が減少し,疲労回復が困難となるために遡上欲が減退する.以上よりカワムツについては,遡上に適した潜孔アスペクト比は0.5~1との結果が得られた.

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