2026 年 32 巻 p. 415-420
安定した河道の川幅・水深・勾配・粒径と河道満杯流量には関連性があり,これまでに様々な関係式が提案されている.河道満杯流量が安定河道の関係式に用いられる理由の一つとして,河道満杯流量が最も土砂輸送に貢献している流量(以降,流砂有効流量と呼ぶ)と概ね一致していることが挙げられる.ここで,流砂有効流量とは,ある流量における流砂量とその流量の発生頻度の積が最大となる流量である.近年,二極化(樹林化)と呼ばれる澪筋部と堆積部が顕著に分かれた河道が増加しているが,二極化が流砂有効流量に与える影響については解明されていない.本研究では,北海道の忠別川を対象に,二極化が流砂有効流量に与えた影響を,平面2次元河床変動解析により調査した.その結果,樹林化・粗粒化は流砂有効流量を増加させるが,ダム建設は流砂有効流量を減少させることが確認でき,樹林化・粗粒化とダム建設では流砂有効流量に相反する影響を与えることが示唆された.