2026 年 32 巻 p. 499-504
近年,治水対策や都市化の進展に伴い,流域全体を対象とした複合的な治水安全度評価の重要性が高まっている.一方で,複合的影響を考慮するモデル構築には時間・コストの面で実務適用が課題である.本検討では,これらの課題に対し,京都府京田辺市田辺地区を対象に,京都府が構築した既存の広域RRIモデルを改良することで,治水対策と土地開発の複合的な流出影響を解析した.RRIプログラムの改良により,樋門や排水機場等の河川管理施設の挙動を再現するとともに,段階的なシナリオ解析により浸水リスク低減効果を定量的に評価した.本手法は,治水対策と土地開発のトレードオフ関係を定量的に把握可能とし,その調整を図るための意思決定支援として有効であることを示した.