防災教育学研究
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Print ISSN : 2435-9556
中学校理科における雨量観測の実施を検討するための基礎資料の作成
奥山  翔吉本 直弘
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ジャーナル オープンアクセス

2022 年 3 巻 1 号 p. 47-53

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抄録

大雨による災害への注意や警戒を促す防災気象情報の一つである24 時間雨量について、中学校理科で実感を伴った理解を図ることが望まれる。その手立てとして、雨量観測の実施が期待さ れる。本論文は、福岡、大阪、東京における30 年間の日降水量のデータを用いて、日降水量の 階級別頻度とその季節変化を明らかにした。その結果に基づいて、雨量観測に適した季節や観測 が期待される日降水量とその頻度など、中学校で24 時間雨量の観測の実施を検討するうえで参 考となる基礎資料を作成した。基礎資料の要点として、梅雨期や秋雨期に1 か月間雨量観測を行 えば、3 地点とも24 時間雨量10 mm 以上の雨を1 回以上観測可能と期待できる。貯水型の簡 易雨量計を用いてこのような雨を観測すれば、大雨時の雨量の多さについて理解を図りやすくな ると考えられる。

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© 2022 防災教育学会
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