防災教育学研究
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3 巻, 1 号
防災教育学研究
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
  • 迫りくる南海トラフ巨大地震と大津波 ~学校と地域での防災教育~
    矢守 克也
    2022 年 3 巻 1 号 p. 1-9
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/11/07
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  • 南海トラフ巨大地震に向けた学校と地域での防災活動
    2022 年 3 巻 1 号 p. 10-23
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/11/07
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  • 佐伯 潤, 板倉 尚子, 月ヶ瀬 恭子
    2022 年 3 巻 1 号 p. 25-34
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/11/07
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    災害が頻発する我が国では、災害対策基本法に示される通り、防災における自助のための努力 は国民のひとりひとりの役割であり、子どもも例外ではない。いつ、どこで発生するか分からな い地震等の災害にあっては、1 人でいる時に被災することも十分に考えられる。1 人で被災した 場合の危険の覚知と対処に関して学習をする機会を提供することや、1 人で被災する可能性につ いても自覚を促す事が重要であると思料される。そこで、無作為に1 人で被災した状況を付与し、 検討を促す学習プログラム「防災サイコロ」を考案し、実際に小中学生に実施した。その結果、 1 人で被災した場合の対応に対する知見が深まることが確認され、かつ、その学習内容を報告書 にまとめることで、教員に対して児童生徒の防災意識の現況把握と、今後の防災教育の課題につ いて提言を示す教育プログラムであることが示唆された。
  • -東日本大震災を経験したフィリピン出身女性とのインタビューより-
    菊池 哲佳
    2022 年 3 巻 1 号 p. 35-46
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/11/07
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    本研究は、日本の災害で被災した経験のある外国人住民を対象として、防災活動を実践化するプロセスを明らかにすることを目的とした。特に、災害時の外国人住民とその家族や地域住民の間の社会的相互作用の中で、防災意識が形成される動きを説明する理論の生成を目指した。2021 年2月に、東北地方に在住するフィリピン出身女性4名の半構成的面接の逐語録をデータとし、修正版グラウンテッド・セオリー・アプローチ(M-GTA)を用いて分析を行った。分析の結果、22 の概念が生成され、そのうちからつぎの8つのカテゴリーを見出した。【避難イメージを持ちえないための戸惑い・混乱】【情報や規範によらない、家族の安全を最優先とする行動】【日本人の行動・意見を参考】【マイノリティとしての共感・支援】【被災経験からの学び】【居場所としての日本の確認】【避難イメージの実践化】【外国人当事者としての防災教育の実践化】。日本では外国人住民の増加・定住化の一層の進展が予想されるが、外国人を対象とする防災教育のあり方を考える上で、外国人住民の視点を生かすことの有効性が示唆された。
  • 奥山  翔, 吉本 直弘
    2022 年 3 巻 1 号 p. 47-53
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/11/07
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    大雨による災害への注意や警戒を促す防災気象情報の一つである24 時間雨量について、中学校理科で実感を伴った理解を図ることが望まれる。その手立てとして、雨量観測の実施が期待さ れる。本論文は、福岡、大阪、東京における30 年間の日降水量のデータを用いて、日降水量の 階級別頻度とその季節変化を明らかにした。その結果に基づいて、雨量観測に適した季節や観測 が期待される日降水量とその頻度など、中学校で24 時間雨量の観測の実施を検討するうえで参 考となる基礎資料を作成した。基礎資料の要点として、梅雨期や秋雨期に1 か月間雨量観測を行 えば、3 地点とも24 時間雨量10 mm 以上の雨を1 回以上観測可能と期待できる。貯水型の簡 易雨量計を用いてこのような雨を観測すれば、大雨時の雨量の多さについて理解を図りやすくな ると考えられる。
  • -内陸部と沿岸部の比較調査から-
    有道 俊雄, 川村 教一
    2022 年 3 巻 1 号 p. 55-66
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/11/07
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    地域の自然災害に対する生徒の認識の実態を把握し、防災教育推進にとって重要な理科教育、 特に自然災害の教育の改善を図るため、神戸市内中学生を対象として、自然災害の認識と自然災 害の学習経験についてアンケート調査を行った。調査結果をもとに中学生の持つ自然災害の認識、 地震災害及び水害のきっかけや自然現象についての認識の実態を分析した。沿岸部と内陸部にあ る学校間で生徒の反応に違いがあった。この違いは、海岸線からの距離、標高、災害記録の存在 など、学校の地域特性による学習内容の違いであると推測する。この分析結果をもとに、神戸市 の中学校理科教育における改善のための課題を見出した。
  • 教科書分析をふまえて
    田口 瑞穂, 川村 教一, 澤口 隆
    2022 年 3 巻 1 号 p. 67-74
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/11/07
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    日本国内の国公私立大学8 大学の大学1 年生720 人を対象とした自然災害に関する認識についてのアンケート調査結果を再分析した。高校生時代の地理A および地学基礎の学習歴と自然 災害に関する意識の関係では、地理A の履修者の方が地学基礎選択者よりも、地震、津波、洪 水について意識が高かった。教科書における自然災害に関する記述量を比較したところ、地学基 礎よりも地理A の方が多かった。地理A 履修者の自然災害に対する怖さの意識の差は、高校時 代の自然災害に関する学習量の多さと関係がある。
  • 福知山城下町における自然と歴史景観の活用
    川村 教一, 小長谷 誠, 吉本 直弘, 崎山 正人, 藤岡 達也, 岡田 大爾
    2022 年 3 巻 1 号 p. 75-85
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/11/07
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    京都府福知山市は市中を流れる由良川水系の河川による水害の多い地域である。筆者らは福知 山市において、河川の利用や内水氾濫・外水氾濫と地形の関係を学ぶためのジオツアーを試行的 に実施した。ツアーでは、福知山城築城と城下町発展における川の地形との関係を見出すととも に、外水氾濫や内水氾濫の自然素因となりうる地形を実地に学べるコースを設定した。実践前後 のアンケート調査の分析に基づくと、参加者は微地形と歴史的建造物を観察することで、洪水災 害の自然素因と社会素因について理解を深めた。あわせて河川による恵みを享受してきたことも 理解を深めた。防災の視点を取り入れたジオツアーを展開する上での今後の課題は、知識レベル が異なる参加者に対応したガイドの工夫である。
  • - 南海トラフ巨大地震を例として-
    前林 清和, 柴田 真裕, 田中 綾子
    2022 年 3 巻 1 号 p. 87-96
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/11/07
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では、南海トラフ巨大地震津波浸水想定域を対象としたドローン空撮映像を用いた大学 生のための防災教育プログラムを開発し、その有効性をあきらかにする。 われわれが開発したドローンの空撮映像を教材としたプログラムは、南海トラフ巨大地震の大 津波の知識を得たうえで、空撮映像という鳥瞰的、動的な画面から得られる3 次元の時空を重ね、 ハザードマップの津波浸水想定域を重ねることで、リアリティのある津波をイメージすることが できた。さらにその上に避難場所・避難所情報を重ねるという作業を行っている。そのことで、 津波の来襲状況および被害状況を、学生に直感的にリアリティ感をもって理解させ、その対応方 法を、立体感をもって行うことができるような仕掛けを備えているといえる。つまり、3 次元的 イメージに知識を積み上げることによって、次々と新たな情報が付加されたイメージがレイヤー のように重なっていく。そのことで、学習者の想像力を掻き立てていくのである。
  • ―家庭内の男女の違いに着目して-
    江田 英里香, 前林 清和, 柴田 真裕, 田中 綾子
    2022 年 3 巻 1 号 p. 97-106
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/11/07
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    災害被害の多い日本において、阪神・淡路大震災を機に学校での防災教育が推進されている一 方で、家庭における防災の学習については十分浸透しているとは言えない。本研究では、家庭に おける防災学習や備えを推進する立場から、男女の違いに着目して、小中学生の子どもを持つ男 女が、防災に対してそれぞれどの様な意識を持ち、どの程度行動をしているのか、そして子ども と一緒にどの程度話し合ったり、備えをしているのかを明らかにした。 その結果、防災に関する意識・知識・行動は男性が優位であること、家庭における防災につい ての子どもとの学習は女性が行っている割合が高いこと、この1 年間で子どもと行った防災への 備えについては男女ともにライフラインと手軽さを優先する傾向があること、そして、防災の取 り組みについて、女性は日常の習慣や人との関わりなどのソフトの備えを、男性は非常時にどの 様に生き延びるのかといったところへの備えといった特徴があることが明らかになった。 いつ起こるか分からない災害に対して、防災における「自助」を強化するためには家庭におい て保護者と子どもが共に行う防災学習をより一層進めていく必要がある。そのためには、保護者 の性別の違いによる強みを生かした家庭での防災の取り組みを行うと同時に、男性と女性による 知識の偏りをなくしていくことも重要である。
  • 小柴 佑介, 中山 穣
    2022 年 3 巻 1 号 p. 107-118
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/11/07
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    試薬、溶剤、ガスなどのフィジカルハザードを保管、取り扱う理系の大学建物においては、大 地震後に火災、爆発、中毒、窒息事故が発生し得る。従って、大地震直後にそういった大学建物 に安易に再入棟することは不安全行動であり、これを防止することは大学防災にとって重要であ る。漫画には数多くの利点があることが報告されている。そこで、大地震直後において、フィジ カルハザードが保管されている大学建物へ学生が戻ることを防止するために、大地震時の再入棟 行動をテーマとした漫画教材を開発することを目的とした。本研究では、主として筆者らの先行 研究の知見に基づき、フィジカルハザードが保管されている実験室における火災・爆発事故およ び中毒・酸欠事故に係る 2 つの漫画教材を制作した。火災・爆発事故に係る漫画教材では、主 人公が溶剤による火災および水素爆発を、中毒・酸欠事故に係る漫画教材では主人公が塩素ガス にばく露されるシナリオとした。各漫画教材において、前半は不安全行動である再入棟行動を選 好することで主人公が死亡するストーリーで、後半は再入棟行動のリスクおよび再入棟を取らな いためのポイントを示すという構成とした。本研究で開発した漫画教材は、大地震直後における 人的損失の低減に資すると考えられる。
  • ―歴史と災害を合わせた防災教育の可能性―
    糟野 譲司, 佐々木 陽輔, 岸畑 祐輝穂, 山本 雄貴, 森野 稔弘
    2022 年 3 巻 1 号 p. 119-122
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/11/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 齋藤 朝子
    2022 年 3 巻 1 号 p. 123-126
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/11/07
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