抄録
本研究は,骨格筋fMRI(mfMRI)を用いたドルフィンキック泳における筋活動評価の妥当性を検討し,大腰筋の筋活動レベルを事例的に評価することを目的とした.本研究には男子大学競泳選手1 名が参加した.対象者は,ドルフィンキック泳の前後でMRI 撮像を行う課題とドルフィンキック中の表面筋電図(sEMG)を計測する課題の2 課題を行った.mfMRI の被験筋は,大腰筋,腹直筋,背筋群(脊柱起立筋及び多裂筋),大腿直筋,大腿二頭筋の5 筋とし,sEMG 計測では腹直筋,脊柱起立筋,大腿直筋,大腿二頭筋の4 筋とした.結果として,ドルフィンキック泳における大腰筋のT2 値変化率は13.1% であり,大腿二頭筋の14.8% に次いで2 番目に高い活動レベルを示した.また,両測定方法から評価した大腰筋を除く4 筋の筋活動レベルのコサイン類似度は0.99 を示し,mfMRI を用いた筋活動評価が十分に妥当である可能性が示された.