スポーツパフォーマンス研究
Online ISSN : 2187-1787
大学の陸上中長距離選手における異なる強度のウォーミングアップが運動継続時間および自覚的運動強度に及ぼす影響:
ウォーミングアップ後から運動継続時間測定前にかけての自律神経活動の変化を基に
島貫 聖吾 田邊 弘祐
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ジャーナル オープンアクセス

2023 年 15 巻 p. 354-365

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抄録

5000 m の自己ベストで平均15 分20 秒の記録を有する大学の陸上中長距離選手6 名を対象に,異なる強度のウォーミングアップ(W-up)が運動継続時間および運動中の自覚的運動強度(RPE)に及ぼす影響を検討した.15 分間のW-up を中強度(55–60 %HRR)で行った条件と高強度(70–75 %HRR)で行った条件の諸測定値を比較した結果,運動継続時間や運動中におけるHR の経時的変化に有意な差を確認することはできなかった.一方で,RPE は両条件間で異なる経時的変化を示すことが認められた.また,6 名中4 名(66.7 %)の対象者では「高強度」条件よりも「中強度」条件のW-up でRPE が高強度の水準である14 に到達するまでの時間が遅くなることも確認できた.しかしながら,「中強度」条件ではW-up 後から運動継続時間測定前にかけて,副交感神経活動(RMSSD)の再活性化が大きくなる程,その後の運動でRPE が14 に到達するまでの時間が逆に速くなることも明らかとなった.

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© 2023 日本スポーツパフォーマンス学会
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