スポーツパフォーマンス研究
Online ISSN : 2187-1787
キーワードと理解度テストを用いた守備トレーニングの効果の検討
八鍬 晶子 森 裕紀並木 伸賢堀野 博幸
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ジャーナル オープンアクセス

2024 年 16 巻 p. 202-216

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抄録

本研究では,サッカーにおける戦術トレーニングの方法と指導方法を事例として検討した.サッカーは,コート内で攻守が入り交り,そして時間的・空間的制限がある中,的確な状況判断をしながら正確な技術の発揮が必要であるが研究知見が少なく実証研究の蓄積が必要とされている.チーム戦術において,戦術を遂行する選手個人の戦術理解により,チームのパフォーマンスが向上するのではないかという仮説のもとチームコンセプトに則った守備トレーニングを3 か月間行った.本研究での守備トレーニングでは,チーム内の共通理解を促進するためのキーワードと個人の理解を確認するための理解度テストを用いて実施し,試合分析と理解度テストの結果から効果を検討した.その結果,試合分析からはチームコンセプトである守備戦術への効果が示唆された.また,試合結果に関しては勝ち点が加増するタイミングと理解度テストで理解が確認できたタイミングが同時期であった.このことから,チーム戦術に対する個人理解の深まりと状況判断の向上により,チームとして守備の共通認識が増したことが,試合における勝ち点の加増という結果につながったのではないかと推測された.

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© 2024 日本スポーツパフォーマンス学会
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