スポーツパフォーマンス研究
Online ISSN : 2187-1787
最新号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 萱 和磨, 内藤 久士, 宮本 直和, 原田 睦巳, 冨田 洋之
    2024 年 16 巻 p. 92-105
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/04/22
    ジャーナル オープンアクセス
    電子付録
    本研究では,エリート体操選手が「カッシーナ」を試合で実施するまでの練習過程の事例を詳細に記し,有効な意識を探ることを目的とした.準備局面の車輪に意識を置いて練習することが「カッシーナ」でバーキャッチする上で重要であることが明らかとなった.特に,「加速準備局面において身体全体を一直線にして足先を遠くへ通す」意識および「宙返り準備局面において外方向に“ ぬき” をする」意識が重要であると考えられる.
  • 鈴木 智晴, 前田 明
    2024 年 16 巻 p. 80-91
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/03/29
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は,日本代表に選出され,過去にシーズン最高盗塁阻止率を記録したことのあるプロ野球捕手の二塁送球動作の特徴を明らかにしようとした.その選手の特徴として遠投の飛距離(肩の強さ)はプロとして突出していないものの,動作の速さが高い盗塁阻止率につながっていると評されている.この捕手と他プロ野球捕手3 名の二塁送球動作の比較・検討を行った.二塁送球の測定には,光学式3 次元動作解析システムとフォースプレートを用いた.動作局面を3 つに細分化し,各局面に要した時間,送球速度およびキネマティクスを分析した.その結果,日本代表に選出された捕手は捕球からリリースまでの動作時間に要した時間が最も短かった.特に,捕球してから軸脚が接地するまでに要した時間が他3 名の捕手よりも短かった.さらに,捕球時の身体重心速度において日本代表捕手が最も高い値を示した.以上のことから,日本代表に選出された捕手は,捕球する前から重心移動速度を高めることにより,捕球してから軸脚が接地するまでの時間を短縮し,動作時間を短縮することで素早い二塁送球動作を行っていることが示唆された.
  • 濵口 和人, 田中 光, 小澤 雄二, 鈴木 智晴, 出口 達也, 前田 明
    2024 年 16 巻 p. 72-79
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/03/26
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は,回転ボックスジャンプトレーニングが大学柔道選手における内股の動作時間に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした.実験参加者は,大学柔道選手18 名であり,回転ボックスジャンプトレーニング群(以下,「RBJ 群」)6 名,ボックスジャンプトレーニング群(以下,「BJ 群」)6 名,トレーニングを行わない群(以下,「CON 群」)6 名に区分した.畳の上にプライオボックス(NISHI 社製)を置き,RBJ 群,BJ 群ともに,それぞれのトレーニングを10 回× 3 セット行った.RBJ 群には,ボックスの上に乗る時の腰の回転させる方向を,通常の練習で内股を施す時と同じ方向とし,ボックスの上から畳に降りる時は,上に乗る時の方向を戻るよう教示した.トレーニングは,週3 日,4 週間,計12回実施した.その結果,RBJ 群のトレーニングによって,崩しから作りの局面までの動作時間が短くなった.またリバウンドジャンプ指数は有意に向上した.これらのことから回転ボックスジャンプトレーニングは,大学柔道選手のSSC の能力を向上させ,内股の動作時間を短縮する可能性が考えられた.
  • 鉄棒から遠く離れていくような実施を行う大学生体操選手を対象に
    中谷 太希
    2024 年 16 巻 p. 49-71
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/03/07
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では,男子体操競技における鉄棒の終末技が未熟な大学生体操選手を対象に,鉄棒から遠く離れていくような実施の原因を把握し,その課題を解決した修正事例を示すことを目的とした.対象者は筆者が指導する大学生体操選手4 名であり,鉄棒から遠く離れていくような実施を行っていた.筆者が考案した練習方法を実施させた結果,対象者4 名は鉄棒から遠く離れていくような実施ではなくなり,試合において修正した実施を行うことができた.そして,今後指導する際のもととなる修正指導の流れと注意すべき点を示すことができた.
  • - 伴走者に焦点を当てて -
    平井 達雄, 前田 博子, 竹下 俊一
    2024 年 16 巻 p. 36-48
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/02/12
    ジャーナル オープンアクセス
    これまで視覚障がい者ランナー(B ランナー)の伴走者についての研究では,参加動機には他者の勧め(鈴木,2012)や依頼(星野,2008)という外発的なものがあると報告されている.活動実態としては,B ランナーと伴走者が所属するクラブが数多く存在し,定期的な練習会が開催されている.筆者らは,B ランナー側から伴走者とのマッチングにおける課題を検討してきた(平井.2020).そこで,本研究では,伴走者側から同様の課題を明らかにすることを目的とした.研究方法は,A 伴走クラブに所属する伴走者5 名に半構造化インタビューを行い,得られた音声データを修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチによって分析した.その結果,以下の4 点が明らかとなった.① B ランナーは伴走者への質的な関わりを課題としていたが,伴走者は量的な面をあげ,より積極的にB ランナーにアプローチしていくことが重要と捉えていた.②双方ともに適当な相手を見つける力を養成することが求められ,そのためには人脈を広げることが必要とされた.③自主マッチングでは,走る目的の一致したパートナーを見つけることが課題とされた.しかし,双方とも,多少,目的が異なっていても一緒に走ることは可能としていた.④伴走者は日常の練習におけるマッチングについて,積極的かつ日常的に連絡を取り合うことが重要としており,この点もB ランナーと共通した認識を持っていた
  • 競泳選手を対象として
    工藤 慈士, 草薙 健太, 杉山 佳生
    2024 年 16 巻 p. 26-35
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/02/01
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では,社会情勢による長期間の活動制限下において競泳選手の心理的特性ならびに競技レベル別での心理的スキルの差異を検討することを目的とした.対象者の選定は大学競泳選手118 名ならびに大学院生を含む社会人競泳選手14 名とし,社会情勢による長期間の活動自粛前に日頃からトレーニングを積んでいる者を対象とした.対象者に対して基本属性,心理的パフォーマンスSE,DIPCA.3,自己信頼度尺度の回答を求め,性別および競技レベル別での比較を検討した.回収した回答を集計しt検定,一元配置分散分析を実施した.その結果,男女間でリラックス能力と自信は男性の方が高い得点を示していることが明らかになった.また,国際大会,全国大会,地方大会出場の3 群に分類した一元配置分散分析を実施したところ,自己コントロール能力SE では,国際大会と地方大会で有意な差が認められ,作戦能力SE と精神の安定・集中で有意な差が認められ,いずれも国際大会が高かった.以上の結果から,社会情勢の影響によるスポーツ活動制限は男女ならびに競技レベルで心理的スキルが異なる傾向が示唆された
  • 中谷 敏昭, 金子 竜大
    2024 年 16 巻 p. 18-25
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/01/12
    ジャーナル オープンアクセス
    体幹の回旋動作はパフォーマンス発揮に重要な役割を担い,バットやラケットのスイング,投球動作における体幹と上肢の運動連鎖に重要である.本研究では,スマートフォンと追加インストールしたアプリケーション(Angle Meter)を用いて,体幹自動回旋可動域測定の信頼性と胸腰部柔軟性との関係を検討した.対象者は健康な男子学生60 名であった.体幹回旋の可動域(ROM)は,椅座位姿勢で左右に自動回旋させた際の角度をAngle Meter で測定した.信頼性は7 日の間隔をおいて2 回測定し,有意差と級内相関係数,系統誤差を検証した.胸腰部の側屈はAngle Meter を用いて左右の角度を計測し,屈曲は長座体前屈,伸展は伏臥上体そらしの距離を測定した.その結果,椅座位での体幹回旋ROM 測定の再テスト結果に有意差はなく,級内相関係数も0.881 と良好であった.加算および比例誤差も認められなかった.このことから,Angle Meter を用いた椅座位における体幹回旋ROM 測定は有用なテストである.また,体幹回旋ROM と胸腰部屈曲は弱い相関関係を示したが,側屈と伸展に相関関係はなかった.以上のことから,椅座位におけるAngle Meter を用いた体幹自動回旋ROM 測定は有用なテストであり,胸腰部柔軟性との関係は限定的であった.
  • 熟練度の動作比較
    濵口 和人, 古川 巧, 出口 達也
    2024 年 16 巻 p. 10-17
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/01/12
    ジャーナル フリー
    本研究は,熟練度が異なる大学柔道選手を対象に内股を試技として関節角度の比較を実施し,それぞれの特徴から技術指導に対する実践的な示唆を得ることを目的とした.実験参加者は,大学男子柔道選手(Skilled10 名,Unskilled10 名)を対象に,柔道の内股を行い,その動作は光学式3 次元動作分析システムMac3D(250Hz)を用いて記録した.動作中の足に作用する地面反力は,フォースプレート(1000Hz)を用いて計測した.その結果,熟練度が高いSkilled の方が体幹傾斜角度の最大値は大きく,最大値が発生したタイミングは有意に早かった.また釣手の最大値は小さく,引手の最大値は大きい傾向が見られ,その結果として受を前方方向へ大きく引き出すことに繋がり,Skilled は効果的にテコを用いて払い上げている可能性が示唆された.以上のことから,内股の技術向上という点において,回転局面で釣手と引手を用いて受を大きく崩しておくことは,投げ局面で取が軸足のみの片足立ちであってもその姿勢を安定させることと,素早く受を払い上げることを可能にすると考えられた.
  • 髙橋 仁大, 中村 和樹, 岡村 修平, 大澤 啓亮, 柏木 涼吾, 村上 俊祐
    2024 年 16 巻 p. 1-9
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/01/12
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究はテニスの女子ダブルスにおける地方学生選手の課題を探るため,得失点の状況と最終ショットに注目したゲームパフォーマンス分析を行い,ゲームの様相を明らかにすることを目的とした.対象とした試合は世界ツアー大会,全日本学生大会,地方学生大会の3 つのカテゴリーから各10 試合,計30 試合であり,全ての試合は3 セットマッチで,ハードコートで行われたものとした.収集した各映像をSPLYZA Teams((株)SPLYZA)を用いてタグ付けし,得点率,ラリー回数の出現頻度,最終ショットの割合,ネットプレーで終わったポイントでの最終ショット打球者の割合について算出した.分析の結果,1st サーブではサーバーの得点の割合が大きく,中でも世界ツアーではリターンでポイントが終わった割合が他のカテゴリーよりも大きくなっていた.また地方学生においては最終ショットがネットプレーであった割合が他のカテゴリーよりも小さくなっていた.最終ショットがネットプレーであったポイントでは,サーバーとレシーバーそれぞれのパートナーが最終打球者となる割合が大きかった.これらの結果から,地方学生においてはサーブ,リターンならびにパートナーのポジションにおける役割としてのネットプレーに課題があると考えられた.
feedback
Top