2024 年 16 巻 p. 297-308
本研究は,兵庫県のスポーツタレント発掘事業(ひょうごジュニアスポーツアカデミー:以下HJSA)参加者を対象に新型コロナウイルスによる活動停止が運動能力に与える影響をあきらかにすることを目的とした.対象者は,選考会で選考され,身体能力開発・育成プログラムに参加した6 年生とした.2016 年度,2017 年度,2018 年度の3 年間をコロナ前とし,2020 年度と2022 年度の2 年間をコロナ影響下とした.2016 年度は,男子13 名,女子14 名,2017 年度は,男子13 名,女子15 名,2018年度は,男子8 名,女子13 名,2020 年度は,男子10 名,女子11 名,2022 年度は,男子13 名,女子11 名であった.測定項目として,体格に関して身長・体重の2 項目を行い,運動能力に関して20m 走,T 字ラン,4 方向リアクション(以下;4 方向RE),10 秒間ステッピング(以下;ST),垂直跳び,連続リバウンドジャンプ(以下;RJ 指数),ドロップジャンプ(以下;DJ 指数)を行った.結果,男女とも身長,体重はコロナ前とコロナ影響下で有意な差はみられなかった.運動能力では,男女共にT字ランで有意な低下がみられた.また男子では,4 方向RE,女子では20m 走でそれぞれ有意な低下がみられ,コロナ禍による運動能力への影響があきらかとなった.