抄録
現在,鹿児島県内には,創作ダンスに取り組んでいる高等学校ダンス部が複数存在しており,作品にクラシックバレエやコンテンポラリーダンス,モダンダンスの要素を取り入れて創作をおこなっている学校が多く見受けられる.しかし,県全体として,ダンスの経験年数が少ない生徒が多いという要因から,クラシックバレエやコンテンポラリーダンス,モダンダンスの身体技能を含んだ,より高度で発展的な動きを取り入れた部活動レベルのダンスを踊る上で必要な基礎技術を習得している生徒が少ない.そこで,鹿児島県内の高校ダンス部を対象としたこうした創作ダンスを踊る上で必要な基礎技術の向上を目指した練習法の開発が必要であると考え,練習用コンビネーションの作成を目的とした.今回は5 系統計6 種類のコンビネーションを作成し,1 校の高等学校ダンス部で実践を行った.その後2 週間の継続練習を行った結果,各コンビネーションにおいて部分的に動きの改善が見られたが,設定したねらいを完全に達成するには課題が多く残るかたちとなった.そこで,対象のダンス部に実施したアンケートと継続練習の成果から,より効率的かつ効果的なコンビネーションにするために内容を再検討し,5 系統計5 種類のコンビネーションへ改良を行った.今後は本研究で作成したコンビネーションの成果と課題について,客観的な指標を用い,さらに長期間の経過観察を実施してより科学的に検証し,より良い練習法について検討していきたい.