スポーツパフォーマンス研究
Online ISSN : 2187-1787
鉄棒における〈バーを越えながら後方伸身宙返り1 回ひねり懸垂〉に関する動感地平論的構造分析
杉山 智哉 齋藤 卓
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2025 年 17 巻 p. 240-251

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抄録
近年,体操競技では難度点が加算されるルールに採点規則が改訂された影響により,選手は高難度技を最低10 技入れないと競技会で優位に立つことができない状況になった.それゆえ選手は高難度技の習得が求められており,多くの時間をかけて技の技術を身につけるトレーニングを行っている.そこで,本研究では鉄棒における〈バーを越えながら後方伸身宙返り1 回ひねり懸垂(以下,〈カッシーナ〉と表記する)〉を取り上げ,コツの解明を試みた.〈カッシーナ〉は現行ルールにおいてG 難度に位置づけられている高難度技であり,なおかつ,この技に1 回ひねりを加えると鉄棒における最高難度のI 難度である〈バーを越えながら後方伸身宙返り2 回ひねり懸垂(以下,〈ミヤチ〉と表記する)〉となる.本研究は発生運動学における地平論的構造分析の方法を用いて〈カッシーナ〉の技術情報を明らかにすることで〈ミヤチ〉の技術習得に役立つ情報を提供することを目的とした研究である.本研究において明らかになったことは〈カッシーナ〉や〈ミヤチ〉を実施する上では〈後方車輪〉においてあふり反動技術を用いることが重要であり,習得のための基礎的な技術情報であることが示唆された.
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© 2025 日本スポーツパフォーマンス学会
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