2014 年 2 巻 1 号 p. 12-18
咽頭がんの多くは、解剖学的特性から手術では大きな機能障害と形態欠損を伴うため、しばしば放射線治療の対象となり、その治療成績は良好である。しかし、その治療の過程には有害事象の局所反応がみられ、そこに生じる苦痛は、治療を受ける患者にとって大きな悩みとなる。本研究は、放射線治療を受けた咽頭がん患者37名(男性35名、女性2名)を対象に、有害事象(放射線性皮膚炎、嚥下障害、咽頭痛)の発生状況と、CTCAEv4.0を用いた放射線性皮膚炎の経時的な変化、症状に対するステロイド軟膏の使用時期について調査した。多くの症例で有害事象は観察された。放射線性皮膚炎に関して、有害事象の重症度の進行は個人により異なったが、発生時期や進行状況には類似した傾向がみられた。また、その症状に対するステロイド軟膏の使用時期は、総線量で25.2Gy~63.0Gy (中央値;45.0Gy)の範囲であった。定期的な患者面接による有害事象の評価は、有害事象の程度の把握や個別の対応に有効であったと考えられる。今後、患者の有害事象の評価をより効果的に行うために、患者面接時期や評価法の見直しが必要であると示唆された。