教育経済学研究
Online ISSN : 2436-1801
Print ISSN : 2436-1798
原著論文
CRAYON BOOKを用いた乳幼児教育の特徴分析
―1~2 歳 ver.の縦断データを中心に―
宇多川 清美小原 愛子
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ジャーナル オープンアクセス

2022 年 1 巻 p. 62-71

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抄録

乳幼児期の環境は、「保育所保育指針(厚生労働省,2017)」総則、「幼稚園教育要領(文部科学省,2017)」第2章、「幼保連携型認定こども園教育・保育要領(内閣府・文部科学省・厚生労働省,2017)」年齢ごとのねらい及び内容等に記載されるように、重要な項目となる。しかしながら、1~2歳児の成長のための各領域における実践検証はほとんどない。そこで、本研究では、CRAYONBOOKの1~2歳ver.を使用し、実際の保育園において縦断的にデータ収集を行うことによって、子どもの概念形成や自己表現の特徴や大人の関わり方など、乳幼児教育における特徴を明らかにすることを目的とした。その結果、全領域の中で「数概念」及び「数的表現」の点数が最も低くなっており、乳幼児教育における課題として「数」に関する教育の課題があることが明らかになった。また、縦断分析の結果、乳幼児教育現場における環境と日常生活は全体的に点数が上昇していたものの、「理解」と「納得」といった大人の関わりには大きな変化が見られなかったため、今後、保育士への研修や説明の機会を増やすなど、改善の機会を作っていく必要性が明らかとなった。

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© 2022 公⽴⼤学法⼈下関市立大学
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