教育経済学研究
Online ISSN : 2436-1801
Print ISSN : 2436-1798
4 巻
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  • ―教育経済的観点からに基づいた文献的考察―
    和田 安加里, 金 珉智
    2023 年4 巻 p. 1-11
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/11/30
    ジャーナル オープンアクセス
    少子高齢化に伴い、日本の Z 世代の人口割合は全人口のうち低い傾向を示している。日本における Z 世代の研究は少なく、Z 世代の定義すら曖昧な記述が多い。本研究では、日本の Z 世代の定義を明らかにした上で、教育的かつ経済的背景から Z 世代のファッションに対する購買行動を整理し、国内のアパレル産業の特徴との関連性を文献的に検討することを目的とした。結論として、国内における Z 世代とは、「1995 年から 2010 年までの生まれで、デジタルデバイスに触れてより多くの時間をネット上で過ごし、ソーシャルメディアを通じて消費行動をとる世代」と定義付けた。教育的かつ経済的背景から購買行動を整理すると、ゆとり教育により大衆的なトレンドやブランドよりも自己スタイルやライフスタイルへの一致などといった価値を重視しており、消費者のニーズがより細分化されたと考えられる。また、長期的な経済の不況または就職が安定しない経済的背景から、収入の減少や衣服に割ける金額も減少している可能性があることが示された。つまり、Z 世代のファッションに対する購買行動は国内のアパレル産業に影響を与えている可能性があることが示唆された。今後、日本の Z 世代の衣服に対してのニーズを具体的にヒアリングすることで Z 世代がアパレル産業に求めるファッション商品の特徴をより明確にする必要があると考えられる。
  • ―「障害」「文化」「共生」の言説とコミュニティの学習過程―
    渡邉 尚孝, 趙 彩尹
    2023 年4 巻 p. 12-32
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/11/30
    ジャーナル オープンアクセス
    総務省(2020)による多文化共生推進プラン改訂は,グローバル化への対応や民族的異文化理解促進による地域活性化及び経済の担い手確保を目的としたものに留まっている。多様性と包摂性のある社会の実現を謳う一方で,その対象に障害者は含まれていない。1970 年代以降の障害者運動は徐々に「文化運動」的な色彩を帯びてきたが,同プランにより改めて文化的存在としての障害者が不可視化されていることは問題である。本研究では,「障害」「文化」「共生」というキーワードを基に,「障害文化」に纏わる社会的言説に関する新聞記事を抽出し,KH-Coder を用いたテキストマイニング分析により社会的事象との関連を概観することを目的とした。人権尊重と多文化共生に注目が集まる中,障害者集団が育んできた生活文化に係る用語がどのように認知及び使用されているのか文脈を把握することを試みた。分析の結果,「障害者の生活の総体」を「文化」として理解する言説や,その学習過程に関する文脈はほとんど確認できなかったものの,文化芸術やパラスポーツの振興に伴い,当事者の諸活動と「共生」の関連記事が日常的に立ち現れては消えて行く傾向を明らかにした。また,それらの課題と先行研究を踏まえ,当事者自身の表現活動意欲や SNS 等の多様な媒体を駆使した継続的発信と相互交流,そして健常者側の好奇心をかき立てる演出や工夫の必要性など仮説を立てることで「障害者」を含む多文化共生推進の一助とした。
  • ―第 4 次食育推進基本計画の観点に基づいて―
    前田 彩花, 照屋 晴奈, 太田 麻美子
    2023 年4 巻 p. 33-50
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/11/30
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では、乳幼児における食育をテーマとした教育実践及び実践内容の介入を目的とした論文を第 4 次食育推進基本計画における 16 の目標で対応させることによって、乳幼児を対象とした食育の現状と課題を明らかにすることを目的とする。資料選定基準に基づき、22 件の先行研究をレビューした結果、16 の目標のうち、「食育に関心を持っている国民を増やす」事と関連のある研究が 20 件となっており、1 番多い結果となった。特に、調理体験活動を取り入れた事例が多く見られた(上田ら、2016:今井、2017:冨永ら、2018 他)。また、いくつかの文献において比較対象群を設定したりするなどして、食育の効果を定量的に提示していた。しかしながら、どのような食育の内容がより効果的であるかについては同一尺度を用いた研究がないことから、検討が難しかった。今後、より教育効果の高い食育実施するためには、長期的な効果を狙った定量的な効果測定が求められると考えられ、より一層乳幼児教育の現場との連携が重要になってくると考えられる。
  • ―CRAYON BOOK との項目対応分析に基づいて―
    矢野 桜子, 金 珉智, 小原 愛子
    2023 年4 巻 p. 51-65
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/11/30
    ジャーナル オープンアクセス
    社会情動的スキルは、学業の成功や社会的成功、経済的成功など、人生に深刻かつ永続的な影響を与えていると言われているが、教育の投資効果が高いとされる乳幼児教育を対象とした研究が少ないことや具体的な教育的関わりの特徴が明らかになっていないことが課題である。よって本研究では、乳幼児教育の観点で子どもの概念形成と自己表現を環境や大人の教育的関わりとの関連性で構造的に捉える尺度として 2019 年に韓が開発した CRAYON BOOK に着目し、教育的関わりに関する「理解」と「納得」領域の項目と社会情動的スキルとの項目対応を行うことで、教育的関わりを具体化するための特徴を整理した。その結果、教育的関わりの特徴として、「理解」を促す関わりは社会情動的スキルに関連する思考や態度、姿勢の土台となる知識や経験の獲得を促し、「納得」を促す関わりは獲得した社会情動的スキルを子どもに安心して活用させることを促すことが特徴として示唆された。
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