根の研究
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トマトの根におけるカルシウムイオン吸収の水吸収および呼吸への依存性
荒木 卓哉吉田 敏北野 雅治
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2001 年 10 巻 1 号 p. 19-23

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抄録

トマトの茎の基部における木部溢泌液の出液速度とCa2+濃度から根のCa2+吸収速度を評価し, Ca2+吸収の水吸収および根の呼吸への依存性について検討した. 明期における出液速度は, 基部切断前の地上部蒸散速度の約3分の1で, 暗期に比べ2~5倍高かった. また, 溢泌液のCa2+濃度は培養液中のCa2+や濃度よりも3~4.5倍高く, 暗期の約1.5倍であった. これらのことから, 明期のCa2+吸収速度は, 暗期よりも3~5.5倍大となった. 明期において, 蒸散流を抑制した個体においては切断後の出液速度が低下し, 根の呼吸を抑制した個体においては出液速度およびCa2+濃度が低下した. その結果, Ca2+吸収速度は低下した. 暗期における低いCa2+吸収速度は, 暗期の根の呼吸を高めても促進されなかった. 以上のことから, 明期におけるCa2+吸収は, 根の水吸収および呼吸によって律速される一方, 暗期においては根の呼吸がCa2+吸収の律速要因とはならなかった. このように, カルシウム吸収が根の水吸収および呼吸に依存することについて, Ca2+チャンネルおよびCa2+ポンプを有する内皮の機能に関連させて考察した.

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