利用者が受けとめる訪問介護の質は,ヘルパーとの人間関係の質以外に,要望への対応や説明の親切さ,サービスの継続性など事業所の対応の違いによっても左右される.「事業所の対応」評価尺度は,この質を測るためにつくられた5因子のモデルであるが,妥当性は一地域のデータでしか確認されていなかったため,他の地域に尺度を適用して交差妥当性を検討した.
訪問介護を利用する高齢者を対象に調査を行い,欠損値のない回答(520件)を基に探索的因子分析を行ったところ仮説のモデルと同じ因子が抽出された.確認的因子分析を行ったところ,モデルの適合度指標のうちRMSEAは不良であったがCFIとTLIは良好であったため,多母集団分析を用いて尺度の因子構造の不変性を検討した.因子負荷量と因子の共分散と項目の残差を等値に制約した条件でのモデルの適合度は,ほぼ許容範囲にあったことから,本尺度は一定の交差妥当性をもつものと思われた.