老年社会科学
Online ISSN : 2435-1717
Print ISSN : 0388-2446
原著論文
地域高齢者の転倒に対する脅威の構造
―― 年代および老性自覚と転倒の脅威との関連についての検討 ――
梅田 奈歩山田 紀代美
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2011 年 33 巻 1 号 p. 23-33

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抄録

 地域高齢者が抱く転倒恐怖感(fear of falling)に対してLazarusの認知的・動機的・関係的情動理論を参考に仮説モデルを示した.

 筆者らの先行研究では地域高齢者の転倒に対する脅威としての評価(appraisal)は転倒により生じる身体的影響に加えて生活の変化や人間関係の変化,アイデンティティの変容に関する内容を含んでいることを明らかにした.本研究ではこの結果に基づき転倒に対する脅威評価項目を作成し地域高齢者289人を対象に質問紙調査を実施した.287人を有効回答とし妥当性と信頼性を検討した.調査結果に対して項目分析および探索的因子分析を行い最終的に24項目5因子を抽出した.5因子は「QOL低下の引き金」「自己の自立性の喪失」「身体的苦痛」「他者依存に対する心理的負担」「重篤な末期へのきっかけ」と命名した.測定概念の妥当性は年代および老性自覚との関連により確認した.また信頼性はクロンバックα係数(α≧0.7)により内的整合性を確認した.

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© 2011 日本老年社会科学会
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