2011 年 33 巻 1 号 p. 60-73
本研究は,施設入所者のベッド上の体動が把握できるモニタリングシステム(センサー)を介護施設に導入することによって,介護スタッフの活動量,関わり,見守り,心身の機能に何らかの影響がみられるかどうかについて明らかにすることを目的とした.研究参加者として,大阪府S市の特別養護老人ホームAに勤務する介護スタッフ20人を選んだ.2008年の10月上旬に施設にセンサーを導入した.センサーの導入階に勤務する介護スタッフ(介入群,10人)と非導入階に勤務する介護スタッフ(対照群,10人)の間で,センサーの導入前後における各種検討項目値の変化を,反復測定による二要因分散分析により検討した.分析の結果,介護スタッフの「オムツ交換回数」と「ストレッサー評価尺度総得点」において,有意な交互作用がみられた(各p < 0.05).センサーの導入により,介護スタッフの夜間勤務時におけるオムツの交換業務量,および仕事上の心理的ストレス度が軽減する可能性が示唆された.