2021 年 2 巻 J2 号 p. 609-616
橋梁の老朽化が進んでいる中,定期的に近接目視における外観検査を行っている.コンクリート床版の外観検査では,床版ひびわれ・遊離石灰・鉄筋露出・うきなどの項目を目視・打音で把握し,健全性・対策区分を評価している.損傷の状態が著しいものに関しては内部の劣化状況を把握する詳細点検が実施されるが,外観検査での内部劣化の的中率は高いといえるものではない.本研究では,点検の高度化を図るために,定期点検に記録されている損傷状態とマイクロ波で観測可能な鉄筋腐食や滞水などの内部劣化の関係性を明らかにすることを目的とする. 定期点検で記録されている損傷図からコンクリート床版の各損傷の特徴量を画像処理によって取得し,ランダムフォレストを用いて,内部劣化の有無を判定するモデルを構築した.