2017 年 39 巻 3 号 p. 341-351
本研究の目的は,要支援・要介護高齢者の主観的健康感に関連する要因の特徴を明らかにすることである.対象は北海道A市B区在住の要介護認定を受けている要支援・要介護と,要介護認定を受けていない一般高齢者である.それぞれの高齢者を2,500人ずつ無作為に抽出し,主観的健康感,身体,心理,社会的変数を郵送によるアンケートで調査した.有効回答はそれぞれ1,059人,1,699人で,それぞれの群においてロジスティック回帰分析にて主観的健康感に関連する要因を確認した.その結果,要支援・要介護高齢者は疾患,転倒,ADL,孤独感,情緒的サポートの受領が関連し,他方一般高齢者では疾患,転倒,IADL,外出頻度,孤独感が関連していた.以上のことから,要支援・要介護高齢者では,社会生活の技能よりも周囲の人々とのかかわりを充実させることで主観的健康感が良好に維持できる可能性が考えられた.