2022 年 44 巻 3 号 p. 256-268
本研究は,介護施設での生きがい就労における高齢者自身の効果と実践における課題について検討することを目的とした.介護施設の介護助手として3か月間の生きがい就労の体験プログラムに参加した,60〜80歳代までの男女52人(男性9人,女性43人)を対象として,質問紙調査およびインタビュー調査を実施した.質問紙調査は就労開始時と3か月後の終了時に実施,インタビューは終了時に参加者10人を対象に行った.その結果,他者や組織に対する「貢献に関する満足度」が3か月で有意に高くなり,「生活の充実感」も上昇傾向が示された.また中年期以降の発達課題である「世代性」も有意に高まり,上の世代との交流や介護助手の仕事と「世代性」との関連が示唆された.生きがい就労では,募集時の年齢や雇用条件を高齢者に合わせて設定することで,高齢者の就労機会を保証すること,また仲間同士の交流が雇用の継続につながることが示唆された.