2024 年 45 巻 4 号 p. 315-326
本研究は,要介護高齢者の日常会話の関連要因を個人的属性と社会関係要因から把握することを目的とする.居住型介護施設並びに在宅の要介護者からランダムサンプリングされた539人を対象に質問紙調査が行われた.生活世界コミュニケーション尺度(LWCS)の関連要因の全体像の把握にはダミー変数を用いてパス解析を実施した.使用した尺度の欠損値の補完には多重代入法を使用した.結果は,LWCSには,施設と在宅において家族との会話(標準化推定値:SC=.17~.13)と女性(SC=.23~.13),施設では友人との会話(SC=.20),在宅ではデイサービスと訪問看護利用(SC=.18~.26)から有意なパスが示された.LWCSは施設・在宅において協調的幸福感(SC=.35~.36),施設では抑うつ(SC=-.14)に有意なパスが示された.日常会話は,要介護高齢者の生活の質や,施設における抑うつに影響することが示された.