宗教研究
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改革派認識論から何を学ぶか(<特集>宗教批判の諸相)
上枝 美典
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2008 年 82 巻 2 号 p. 361-382

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抄録
証拠主義の観点からの宗教批判に対して宗教的信念は証拠を必要としないと論じる改革派認識論は、合理性についての通常の理解に根本的な反省を促す興味深い議論を数多く提供する。本論ではその一人であるウィリアム・オルストンの議論に照準を合わせ彼の思想を紹介すると共にそれに対する批判を試みる。彼は(一)宗教的信念は日常の経験的信念と同程度に正当化される、(二)日常の経験的信念は合理的である、という二つの命題から(三)宗教的信念は合理的である、という結論を導く。本稿では(一)を認めながら(二)を否定することによって(三)を否定することを目指す。日常の経験的信念が合理的であるとしても、それは認識的な意味で合理的だと言えるのだろうか。外界を正しく伝えることにおいて、私たちの感覚経験はどの程度信頼できるのだろうか。日常の経験的信念と同程度に正当化されることだけから宗教的信念の合理性を導くのは誤りである。
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© 2008 日本宗教学会
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